はこざき

工務部 はこざき

電話でお客様から相談があったのは、2月の寒い時期でした。
訪ねると旧日本家屋の立派な建物でした。インターホンを押すと、50代の女性の方が出てきました。相談内容を尋ねると、お父様が毎年手入れをして大事にしてこられたマツが裏庭にあるので見て欲しいという事でした。
そのマツを見ると、きれいで枝ぶりの立派なマツでした。
お客様の依頼は何とかこのマツを助けて欲しいというものでした。

お客様は庭と樹木が大好きな父親の話を、切々とお話しされました。
そんなお父様の思い入れのある樹木であるならば、何とかこのマツを救ってあげたい・・・
と心からそう思いました。
そして、私はその状況を確認し、考えられる全ての原因を洗い出し、出来る限りの樹勢回復の処置を約3カ月かけて施しました。

そして、5月になり芽吹きの頃、あれだけ弱り切っていたマツが少しではありますが樹勢も回復し、新芽もちらほら見ることが出来るようになったのです。
私は、お客様にこれだけ回復すればもう大丈夫ですよと伝えたところ、お客様は感動された様子でそのマツをじっと笑顔で見つめて、心の中で「お父さん助かってよかったね」と呟いていらっしゃるのを感じとれました。

この時、お客様の感動が私にもひしひしと伝わり、この感動をたくさんの人に伝えたいと思いました。樹木を元気にすることにより、人の心をも元気にすることにつながると思いながら・・・